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2016年8月 夏の薬膳 日本型薬膳

<夏の薬膳>
夏季の特有の自然条件は「暑」であり、この季節は陽気が盛んになる。抵抗力が落ちた時に「暑邪」に侵されることがある。また、夏は「暑」に加えて「湿」の邪にも注意しなければならない。予防と治療には清熱が必要で、寒性、涼性の食材が効果的である。夏に旬を迎える西瓜、甜瓜、胡瓜、トマト、南瓜などは水分が多く、ビタミンやミネラルの補給源にもなる。また夏は、食欲不振や体力の消耗が激しく、胃腸機能も低下しやすいため、脾や胃経に入る、鰻、蜂蜜、棗、豆腐など、口当たりがよく、栄養豊富な食材を使うことが重要である。

<長夏の薬膳>
長夏は、湿度の高い時期であり、主気は「湿」であり、住居の水はけが悪く、湿度が高くなったり、水中での仕事が長い人や乾燥していない衣類を身につけていた場合などは、体が湿を感受して、「湿邪」によって疾病になることがある。
「湿邪」の特徴は、重濁で下向き、体が重苦しい、浮腫がおきる、下痢をするなどの症状がある。
効果的な食材は、清熱利潤作用のある寒性のもので、例えば西瓜、緑豆、意苡仁、冬瓜などが体内にたまっている水分を、尿として除去してくれる。

献立

カラダにやさしい食品

日常私たちが食べている食品には、健康を維持・増進する大きな力が宿っています。
このコーナーでは、食品の持つすばらしい力を紹介します。

  • ブルーベリー

    《保健機能》ルテイン、アントシアニンなどの抗酸化物質に含んでおり、摂取によって血清の抗酸化作用が増加します。また、アントシアニンは眼精疲労の改善に効果があると期待されています。

  • パパイヤ

    《薬膳効能》消食和胃作用(消化不良を軽減する)、養血安神作用(不眠の軽減する)、性熱作用(更年期のイライラを軽減する)

  • 蕎麦

    《薬膳効能》消積利気作用(消化不良、おなかがはるなどの軽減)健脾除湿作用(湿を取り除き消化器を丈夫にする)
    《保健機能》食物繊維、ミネラル、ビタミン、ポリフェノール(ルチン)などを含みます。ルチンは抗炎症作用、血小板凝集抑制作用があります。

健康一口メモ

栄養・運動・休養は健康の源です。
このコーナーでは、世界の最先端の栄養・運動・休養に関する情報をお届けします。
是非、健康生活の参考になさってください。

  • ダイエットの成功の秘訣

    ダイエットで成功することは難しいと考えられています。本来ダイエットはそれ自身が難しいから失敗しやすいのか、ダイエットをするときの作戦ミスで失敗しているのかについて研究した報告です。それによるとどうも作戦ミスが原因ではないかと指摘しています。ダイエットを失敗する人は、自分の好きな食べ物を控え、好きではない食べ物を選ぶようなことをしていることが多いということです。好きな食べ物を控える代わりに、楽しめる健康的な食べ物を選ぶようにすればいいとのこと。好きなお菓子を全く食べない代わりに、時々お菓子を食べてもよいことにし、楽しめる健康的な食べ物に着目し食生活に取り入れる工夫が成功の秘訣のようです。

    Psychology & Marketing,33, 8, 588-594, 2016

  • アロエベラは血糖を下げる

    アロエベラは民間療法では喘息、高血圧、脂質異常症、変形性関節症、糖尿病などに用いられてきました。今回、アロエベラと糖尿病の研究報告のまとめが発表されました。それによると、アロエベラの摂取は空腹時血糖およびヘモグロビンA1c(HbA1c)を有意に低下させる効果が示唆されました。空腹時血糖は46.6mg/dL低下し、HbA1c は1.05%低下したということです。アロエベラはビタミン、ミネラル、多糖類、サポニン、アミノ酸などさまざまな成分を含んでいます。妊婦さんは摂取しない方がいいです。

    出典:J Altern Complement Med, 22, 6, 2016, 450-457

  • 緑茶で認知症予防

    緑茶の摂取習慣が認知症予防に関連することを、金沢大学の神経内科学教授の山田正仁氏は発表されました。それによると、石川県七尾市で60歳以上の住民を対象に2010年度から認知機能に関する調査を5年間行い、この間の認知機能障害の低下を調べています。その結果、緑茶を飲まない群に比べ、週に1~6日飲む群では認知機能低下のリスクが53%減少 、毎日飲む群では68%減少したということです。緑茶にはポリフェノールなど抗酸化物質が多く含まれており、手軽な食品で認知機能の維持に効果があるなら申し分ないことです。

    出典:第58回日本老年医学会学術集会