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2015年11月 秋の薬膳 中国料理

秋季の自然条件は、「燥」であり、大気が乾燥しているので、肺や気管支がダメージを受けたり、口、鼻、咽喉、皮膚がかさついたり、毛髪がぱさついたりする。

また、初秋には、夏の温熱と結合した「温燥」、晩秋には、冬の寒涼と結合した「涼燥」が多くなる。この時期には、大自然の「気」を大きく吸収して、体のバランスを調整することが大切である。秋は何を食べても美味しい季節である。特に、肺経に入る梨、橘(ミカンの一種)、葡萄、林檎などの旬の果物、また野菜では山芋、百合根、蓮根、そして蜂蜜が効果的である。

献立

カラダにやさしい食品

日常私たちが食べている食品には、健康を維持・増進する大きな力が宿っています。
このコーナーでは、食品の持つすばらしい力を紹介します。

  • なつめ

    《薬膳効能》胃腸が弱く食欲不振などの症状などを改善します(補脾和胃)。
    特に生姜と一緒に食べると食欲増進作用が強くなります。不眠、不安などを和らげる働きもあります(安神)。

  • 黒きくらげ

    《薬膳効能》空咳や痰が出にくいときに蜂蜜などと一緒に取るといいです(潤肺養陰)。止血作用もあります。
    《保健機能》乾燥1gにビタミンDが4.35μg含まれています。閉経後の女性おいては1日ビタミンDを10μg摂取すると骨折の予防ができると報告されています。

  • 小豆

    《薬膳効能》体内の水分を除き浮腫を軽減する作用があります(利水消腫)。
    《保健機能》ポリフェノールを含み農産物の中でも抗酸化性が強い食品です。また血糖上昇抑制、や血清コレステロール上昇抑制の作用も期待されています。

健康一口メモ

栄養・運動・休養は健康の源です。
このコーナーでは、世界の最先端の栄養・運動・休養に関する情報をお届けします。
是非、健康生活の参考になさってください。

  • 仕事中も歩行を

    現在、仕事で長い時間座ってコンピュータを使っている人は多いと思われます。これは座位の姿勢と血管機能の研究報告です。
    6時間コンピュータの前に座り続けた場合と、6時間の座位後10分間の歩行を取り入れた場合で下肢の動脈の血管機能にどうような影響ができるかを検討しました。6時間の座位によって血流量は大きく低下したのですが、その後10分間の歩行で血流量は回復しました。血流が低下すると動脈の弛緩能力が低下し高い血圧に対応する力が弱ります。長い座位の後には歩く習慣をつけましょう。

    出典:Experimental Physiology,100( 7), 829-838, 2015

  • 良い専門家の見分け方

    昨今はメデイアで専門家がいろんな意見を述べていますが、専門家の意見は常に正しいと思い込むのは危ないことです。良い専門家や専門家集団を見極めるには次の項目を検証することが重要です。
    ①自信に欠け、独断的でない人の方が良い判断を下す傾向にある
    ②個人の年齢や世評は予測能力や評価能力の基準にはならない
    ③グループかどうか(グループの判断は構成員個々の判断を常に超える)
    ④専門外のことは言わない(専門家の判断力は専門外では劇的に低下する)
    ⑤多様な構成のほうがより信頼性の高い判断を生み出すなど。
    学識経験者といえども、同類が集まるとよくないということでしょう。

    出典:Nature,526,317-318,2015

  • 野菜、果物は精神にも影響する

    どのような食事がうつ病発症のリスクを低下させるかを検討したスペインの報告です。約15000名の健康人を平均8年間観察して、食事とうつ病発症の関連を検討しました。
    その結果、青魚、野菜、果物、豆、ナッツなどを日常食べている人は、そうでない人に比べ、うつ病発症のリスクは低下しました。このような食事は心臓病など生活習慣病も予防する健康メニューです。興味深いことに、このような食事をある程度取っている人は、食事を厳格に守っている人と同じくらいうつ病のリスクは低い結果を示しました。
    つまり心身の健康には厳格な食事制限は必要はなく、健康的なメニューをある程度取っていれば大丈夫ということでしょう。

    出典:BMC Medicine 2015, 13:197