<夏の薬膳>
夏季の特有の自然条件は「暑」であり、この季節は陽気が盛んになる。抵抗力が落ちた時に「暑邪」に侵されることがある。また、夏は「暑」に加えて「湿」の邪にも注意しなければならない。予防と治療には清熱が必要で、寒性、涼性の食材が効果的である。夏に旬を迎える西瓜、甜瓜、胡瓜、トマト、南瓜などは水分が多く、ビタミンやミネラルの補給源にもなる。また夏は、食欲不振や体力の消耗が激しく、胃腸機能も低下しやすいため、脾や胃経に入る、鰻、蜂蜜、棗、豆腐など、口当たりがよく、栄養豊富な食材を使うことが重要である。
<長夏の薬膳>
長夏は、湿度の高い時期であり、主気は「湿」であり、住居の水はけが悪く、湿度が高くなったり、水中での仕事が長い人や乾燥していない衣類を身につけていた場合などは、体が湿を感受して、「湿邪」によって疾病になることがある。
「湿邪」の特徴は、重濁で下向き、体が重苦しい、浮腫がおきる、下痢をするなどの症状がある。
効果的な食材は、清熱利潤作用のある寒性のもので、例えば西瓜、緑豆、意苡仁、冬瓜などが体内にたまっている水分を、尿として除去してくれる。