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2022年10月 秋の家庭薬膳

目からウロコの調理学

10月秋の家庭薬膳

はじめに

 やっと朝夕涼しくなり、気が付いたら10月を迎えました。24節気の17番目の10月8日頃が“寒露”で、朝夕冷え込み露が冷たく感じる頃で、10月23日は“霜降”で、秋が深まり楓や蔦の紅葉、そして銀杏が黄葉し始めて冬の近づきを感じる頃となります。この季節の養生の薬膳は、まず自然条件をよく観察することが重要です。自然は「燥」。大気が乾燥しているので、臓では肺や気管支に支障が起こるので、肺を潤す食材を取り入れる事が不可欠です。
 まず、大地に立って大きく深呼吸して「気」を吸収して体のバランスを調整しましょう。そして、肺経に入る食材とは秋旬を迎える果物の梨・柿・葡萄、野菜は山芋・蓮根・里芋・甘藷など、魚介類は脂ののっている鯖・鯵・鰯など積極的に摂取しましょう。
 ところで、日本列島を横断した大型の台風の影響で、物流、通信などのインフラサービスでは一部で混乱が続いています。自然の厳しさを痛感した今年の夏でしたが、その台風の最中、私達は沖縄県の離島伊江島へ訪問していました。そこで地産地消の食材を美味しく調理して生きる知恵も学ばせていただきました。

1)沖縄県離島の伊江村の青パパイヤの調理

 沖縄県伊江島の伊江村は本学大学院卒の古堅守氏が管理栄養士として勤務され、歴代の村長の依頼もあり約25年にわたり科学研究費や産学連携で、各ライフステージの住民の食習慣や生活習慣や腸内細菌叢の疫学研究を本学教授徳井先生と取り組んできました。
 この島に在住する中学生は卒業に伴い本島に移住し一人暮らしを行うことを知り、お礼を兼ねて調査結果から問題点を抽出して食育指導書を作成しました。正しい食知識を身につけ、自主的に健康に生活する意識を高めるための食事指導書ですが、配布のためと報告に行ってきました。
 台風で船舶便が7日間欠航でその翌日に島に入りましが、コンビニやスーパーには冷凍食品や食品はほとんどなく、島の庭からもぎ取ってくれた青パパイヤはシーチキンと炒め物、青パパイヤとあおさのみそ汁、モズクはシークワサーの果汁と黒糖で味付けた酢の物、黒糖とピーナツでジーマーミ豆腐、最後のデザートは島バナナなど、島の食材を美味しく調理していただきました。
 古堅氏は現在福祉サービス「ちむぐくる」の所長で、島の食材で商品開発をしたり、伝統工芸を継承した製作品を島で販売しています。混ざりもの一切なしのピーナツバターと青パパイヤを沢山送っていただき、青パパイヤの調理の可能性に挑戦しました。切って水さらしを10分するとサラダにも使え、伊江島の万能食材であることに気づかされました。たんぱく質分解酵素や抗酸化作用のあるポリフェノールも含まれ、ビタミンCやEも豊富な青パパイヤ。中医学の薬膳では青パパイヤは、肺経・胃経に入る食材です。まさに秋に適した青パパイヤは、健康に良い食材と言えます。

2)ソースベシャメル

 秋風が吹き始めると、こんがりと美味しそうな焼き色のグラタンやドリアを食べたくなりますね。その美味しさを支えるのが、ソースベシャメルなのです。バターと小麦粉と牛乳から作るフランス料理の基本的なソースです。ルイ14世に仕えた宮廷シェフが考案し、執事Bechamel氏に敬意を表すために名づけられたという説や、イタリアのカトリーヌ・ド・メディシス(イタリアのフィレンツェのメディチ家出身でフランスの王アンリ2世の王妃)の料理長が発明してフランスに伝わったとも言われます。
 私が持っているレシピで最高に美味しいものは、やはり?当然?1964年の東京オリンピック総料理長馬場久先生に学んだものです。
(1カップ)小麦粉12〜15g、バター12〜15g、牛乳300g、ブーケガルニ(玉ねぎ10g、丁字1本、ローリエ1枚)塩1g、白胡椒少々。
(作り方)は厚手鍋にバターを溶かし、火からおろして小麦粉を入れる。弱火で2〜3分炒める。温めた牛乳を徐々に入れてなめらかに伸ばしてブーケガルニを入れて15〜20分煮て濾す。
*ホテルオークラの小野正吉料理長から、大量に作る場合は、弱火で時間をかけて炒めて、牛乳は1回で入れ泡立て器で混ぜるとよいと教えてくださいました。
*確かに調理科学的に考えると小麦粉はでんぷん質を含み、150度前後で加熱することで細かい分子であるデキストリン化します。そのため牛乳を入れると適度な粘土が出て、分離も防げるのです。ダマダマになりにくいのです。

3)今月の献立

①エビときのこのドリア

今月は、フライパン1つで簡単に作れるソースベシャメル風で仕上げたドリアを紹介します。食材に鶏肉の胸肉を使いました。夏の疲れが出たり、疲労感を感じる秋はイミダゾールペプチドを含む胸肉がお勧めです。
是非、時間がある時にはソースベシャメルも作って本式に味わってみてください。

②秋野菜たっぷり味噌汁 クルトン添え

秋の汁物は、旬の野菜や海藻、かんぴょうを材料にして、腸内環境をコントロールするために食物繊維を多く摂取できるように考案しました。腸を制する人が健康を制するといわれますが、毎日の排便と腸内環境を整える事が健康の要であり、健康維持増進のための鍵でもあるのです。1日1回たっぷりの野菜に茸や海藻を入れたお味噌汁を作ることをお勧めします。

③秋の果物たっぷりサラダ ゆずでめしあがれ

果物や野菜は、ビタミンやミネラル、食物繊維も豊富です。果物は1日200g、野菜は350g以上摂取することが理想ですが、男性も女性も約70g足りません。彩りも食感も多彩な野菜は、組み合わせ次第でバリエーションは限りなく広がりますが、洗って切るだけの時短で、手軽に楽しめるのはサラダです。そこに果物を一緒に盛ることで、塩分や油脂入りドレッシング無しでも美味しくいただけます。旬の柑橘類を半分に切ってひと絞りすると贅沢な一品になります。イタリアのバチカンでの一コマで、「今日はよく歩くので、スプーンにお塩とお酢を入れて野菜にかけて。オリーブオイルは野菜だ」と上から注いで食べていたのが思い出されます。とてもシンプルな食べ方ですが、野菜の味や香りやテクスチャを楽しんでいるのです。
食事の食べ方で、炭水化物の前に野菜を食べると血糖値の上昇を抑制する効果があり、ゆっくり食べることも重要だそうです。お試しください。

④カボチャの果物ソースシナモンゼリー

今月のデザートは簡単、南瓜ゼリー栗添えにしました。南瓜を茹でてつぶし豆乳を入れて、板ゼラチンを全体の3%入れ、砂糖は5〜10%入れると出来上がりです。黒砂糖と水を同量入れて煮詰めて上から注ぎ、焼き栗を上に飾りました。大人用には洋酒を入れると最高です。

少し秋バテかなーと思ったら、時短で簡単で見栄えのする料理で家族を楽しませてください。
健康第一で冬を迎えましょう!!

一陽来復の健康学:今後の新型コロナウイルス感染症への対応

 いよいよオミクロン株対応のワクチン接種が始まりました。対象は2回接種を終えた12歳以上の人で、前回の接種から五ヶ月以上たった人ということになっています。この五ヶ月は今後短縮する見込みのようです。まず、優先順位として60歳以上の方、基礎疾患のある方となっています。既に4回目の接種を既に終わられた方はやはり五ヶ月後の接種となっているようですが、海外では二ヶ月後に摂取している国もあり、この場合も短縮する可能性があります。60歳以上の方、基礎疾患のある方の後に、12歳から59歳までの3回目の接種が行われる予定ですが、この場合4回目の接種に使用するかどうかは今後検討されるようです。従来のワクチンより発症予防、重症化予防が高いと期待されています。
 一方、感染者数は全国的に減少してきており、福岡県も2000名を下回る数となっています。今月13日(火)には、福岡コロナ特別警報が解除され福岡コロナ警報に移行しました。しかし9月21日は前週よりやや増加して3000名以上となり、もう少し様子をみた方がいいでしょう。海外では米国のバイデン大統領が、まだやるべき問題は残っているが新型コロナウイルス感染症の世界的流行は終わったと述べています。またWHO事務局長のテドロス氏も新型コロナウイルス感染症の世界的流行の終焉が視野に入ってきたと言明されています。少しずつ新型コロナウイルス感染症の流行が収束傾向にはあるようですが、オミクロン株による死亡者数は最大となったこともあり、まだまだ油断せず、マスク着用と室内では換気を励行することが大切だと思います。

健康一口メモ

  • 朝食をたくさん食べてダイエット

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  • 果物は精神的健康に良い

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  • 余暇活動は認知症を予防する効果がある

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