イタリア料理は「前菜」に生ハム、サラミが出て、次にスパゲティやパスタ(麺類)が出てくるこの料理がプリモピアット「第一の皿」である。次にセコンドピアット「第二の皿」がメイン料理となり、肉や魚、付け合わせの野菜が出てくる。次にチーズの盛り合わせ、最後がデザートとコーヒーとなる。お酒は食前酒、食後酒とあり、食事の間、白ワインまたは赤ワインが出て飲みながら食べられる。イタリアではフランスと同様、食事中のワインは不可欠である。
(A)食前酒はカンパリーソーダ(ピンク色)が主、チンザーノ(CINZANO)は日本で有名。
(A)温かい前菜(CARDO)
(B)冷たい前菜(FREDDO)
(C)その他、サラミ、生ハム、メロン、イチジクなど
(A)コンソメスープ(RISTRETTO)や野菜スープ(MINESTRONE ZUPPA)やクリームスープ等
(B)米類(RISO)や麺類(PASTA)、スパゲティ、マカロニ、ニョッキ(GHOCCHI)など
(A)肉類(CARNE)
(B)魚類(PESCE)
(C)鳥類(POLLAME)
(A)馬鈴薯、野菜類(LEGUMI)
(B)サラダ(INSAL)
(A)食後の酒はアルコールが強い。日本の焼酎にあたるグラッパ(GRAPPA)
(B)ブランデーなど
パスタとは単純そうでいて、なかなか手の掛かった洗練された料理である。
オリーブオイルは、健康に生きるための野菜であり、食卓の薬なのよ!!
これは聖パウロ女子修道会・バチカン最後の日本人シスターである私の叔母ファティマ竹内から学んだ言葉です。南イタリアのアルベロベッロのトゥルッリで一緒に食事をした時にバラ型パン・ロゼッタに「朝は元気の源のオリーブオイルを」「夜は少し疲れたのでビネガーを」と、叔母は体の状態に合わせて食材を使い分けていました。食卓のオリーブオイル・ビネガー・塩は、おいしく食べるための食材であり、人間の60兆の細胞を活性化させるためのまさに「薬」なのです。また、529年頃に建立されたモンテ・カッシーノ修道院のかつての薬局を見学した時に、なんと中国・上海中医薬大学で学んだ、中薬や薬膳食材が展示されており、国は違えども薬食同源の考えが共通しているのには驚きました。健康志向の波に乗って薬膳が食の世界に広まりつつあるのです。
小学生の食育教室でオリーブオイルを用いると「くさい」「苦手」という反応が返ってきました。子どもは正直ですね。そこで、健康に寄与するオリーブオイルにニンニクや生姜などの薬味を合わせてみます。青臭さや独特のクセが消え、とても美味しくなり、喜んで食べてくれます。ぜひ、いつもの食卓に取り入れてみてください。大切な家族と、あなた自身のために。
イタリアを始め、スペイン、ギリシャなど地中海沿岸の国々で食べられている食事を地中海料理といいますが、その特徴は果物や野菜、オリーブ油、豆類、小麦や米、種実類、魚介類、乳製品、鶏肉などの食品を中心にした食事です。また赤ワインもよく飲みます。一方あまり料理に使わない食材として、赤肉、ソーセージ、バターなどがあります。清涼飲料やスナック菓子の摂取も少ないです。オリーブオイルは一価不飽和脂肪酸であるオレイン酸を多く含み、動脈硬化を起こしやすい悪玉コレステロールであるLDLコレステロールを低下させる働きがあります。種実類はオレイン酸や食物繊維が豊富で血清のLDLコレステロール(悪玉)を低下させ心臓病予防に効果的です。赤ワインにはレスベラトロールという成分が含まれ、血小板凝集阻害、血栓症防止、動脈硬化防止など心臓病予防効果が期待されています。
イタリアの朝はバル(立ち飲みカウンターで)に人がやってきて、エスプレッソをおいしそうに飲んでいます。昼はしっかり食べる傾向にあります。レストランにいくと、プリモ・ピアット(最初のお皿)として食べるのがパスタ類やミネストローネ(野菜スープ)、リゾットなどです。メイン・ディッシュのセコンド・ピアット(第二のお皿)は、肉や魚料理を食べます。コントルノといって付け合わせの野菜も摂ります。日本人には少し多い量です。お冷やはでません。水をたのむと炭酸入りか無しかを聞いてきます。コーヒーより高い値段です。日本では炭酸入りの水を飲む習慣の人が少ないと思いますが、炭酸は胃粘膜の血流を増加させる消化吸収によい働きをします。
栄養・運動・休養は健康の源です。
このコーナーでは、世界の最先端の栄養・運動・休養に関する情報をお届けします。
是非、健康生活の参考になさってください。
世界のパンの塩分を調べたカナダからの報告です。一番塩分が多かったのはカナダのパンで100g中に2.7g含まれ、これは海水の塩分よりも濃い濃度でした。全体の30%以上のパンには1.5g以上の塩分が含まれており、塩分が高いパンが世界に多いことがわかりました。日本のパンの分析も入っており、一番塩分が高いパンは1.7gで、一番低いパンの塩分は0.5g程度とかなりの差がありました。カナダでは塩分摂取量の最大14%がパンから取っており、塩分摂取に注意する必要がありそうです。幸い日本のパンは塩分の多いパンは少ないので、現時点ではあまり心配いらないでしょうが、パン食が多い人はパンには塩分があることを忘れないことが大切です。
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2018-03/uot-nsf031418.php
電車や地下鉄に乗ると、多くの乗客はスマホの画面をみていることがあります。食事のときでも、同席の人との会話よりスマホ相手に食事をしている光景をみることがあります。スマホは人々の会話を奪っているようですが、それによって私たちがどのように感じているのかを実験した米国の研究です。300人以上の参加者をつのり、それぞれ友人や家族とレストランに行ってもらいました。そこで2つのグループに分け、1つのグループはスマホをテーブルにおいて食事、もう1つのグループはスマホは自分のテーブルで使わないように設定して食事をしてもらいました。食後にいろいろな質問をしてスマホの有無がどのような影響を及ぼすかを調査したところ、スマホがあると気が散ったりして、食事を楽しめなかった、退屈したという結果になりました。仲間うちの食事はいろいろな会話も楽しめるはずなのに、スマホがあるとその楽しさを邪魔するようです。やはり食事中は、みんなとの生の会話を楽しむことが食事そのものも楽しめることにもつながります。
Journal of Experimental Social Psychology https://doi.org/10.1016/j.jesp.2017.10.007
摂取カロリーを制限すると、寿命が延びることは20世紀初め頃からさまざまな生物を使って証明されてきました。近年ではサルを30年近く飼育して摂取カロリー制限の影響をみる実験によって、サルでも生活習慣病予防効果がでることが明らかとなりました。そこで人間が摂取カロリーの制限を行うと、このような影響がでるのかどうかが最大の関心事ですが、長い間人間を対象にした研究の実施は困難なため、カロリー制限食の健康効果が検討できませんでした。そこで、53名の肥満でない男女(21~51歳)を対象に、34名は15%のカロリー制限食、残り19名は自由に食事を2年間してもらい、その結果が今年の3月に発表されました。それによりますと、カロリー制限食の人は2年間で平均8.7kg減量し、自由食の人は1.8kg増加しました。注目されたのは減量ではなく、基礎代謝量と酸化ストレスが減少したことでした。基礎代謝量や酸化ストレスの低下は寿命延長のサインとなりますので、2年間の短い実験ですが、人間でも15%カロリーを減らした食事を続けると、寿命延長効果がある可能性が明らかとなりました。
Cell metabolism DOI: https://doi.org/10.1016/j.cmet.2018.02.019