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2017年9月 夏の薬膳 日本型薬膳料理

未病の極意

今月の健康一口メモにも書いていますが、「王様のような朝食、王子のような昼食、貧民のような夕食」という諺は健康的な食事パターンを表しています。これまで健康的な食生活を考える際、「何を食べるべきか」という考えが栄養学では強かったのですが、「どのように食べるべきか」ということも健康増進には非常に重要であることがわかってきました。
1日に2000kcalの食事を朝食500kcal、昼食700kcal、夕食800kcalで食べる場合(A)と朝食700kcal、昼食700kcal、夕食600kcalで食べる場合(B)、1日の総カロリーは同じでも、体重はBの食事をすると減少してきます。身体は夜は食べたものを貯め込むようにできています。また年をとるとフレイルになる危険性もでてきます。フレイルとは「加齢とともに心身の運動機能や認知機能等が低下し、生活機能が障害され、心身の脆弱性が出現した状態」です。このフレイルを予防するため、蛋白質を取ることが重要なのですが、1日90gの蛋白質を朝食10g、昼食20g、夕食60gとる場合(C)と朝食30g、昼食30g、夕食30gとる場合(D)では、Dの方が運動機能をより保つことができます。1回に60g摂取しても、代謝で全部が利用できないため意味がないのです。
朝食をしっかり食べることがなによりも大事です。

健康一口メモ

栄養・運動・休養は健康の源です。
このコーナーでは、世界の最先端の栄養・運動・休養に関する情報をお届けします。
是非、健康生活の参考になさってください。

  • 正しい体内時計で美しい肌を

     いつの時代も肌の若さは女性のあこがれですが、体内時計が肌に関係しているのではないかという研究です。夜遅く食事をすると肌に悪いといわれていましたが、それは胃腸に負担をかけるためではと考えられていましたが、どうも体内時計が関与するようです。夜行性のマウスを2群に分け、A群は昼に食事をする、B群はいつものように夜食事をする。その後、紫外線を浴びさせるとB群に比べA群のマウスの方が皮膚のダメージが大きくなりました。その理由は通常の食事時間外での食事によって体内時計が狂い皮膚のダメージを修復する酵素の活性が昼間低下したためでした。つまり、通常の食事時間ではない時間に食事をすると体内時計が狂って昼間の皮膚の健康維持機能に異常をきたすようです。やはり規則正しい食生活にまさるものはないということでしょう。

    出典:Cell Reports 20, 1061–1072, 2017

  • 肥満にならない食事のタイミングは?

     栄養に関する古い格言があります。”王様のような朝食、王子のような昼食、貧民のような夕食”。この意味は朝食、昼食はしっかり食べ、夕食は少しだけという食事が健康に良いというものですが、それを科学的に明らかにした米国の研究です。約5万人を平均7年追跡調査した結果、肥満指数のBMIが低下する4つの食事パターンをみつけました。①1日に1食または2食しかとらない、②夜間は食べない(18時間食べない)、③朝食を抜かずに食べること、④朝食、または昼食が1日の中で最大の食事となること。特に朝食を昼食よりも1日の中で最もメインな食事にするとより効果があることがわかりました。逆に肥満指数のBMIが高くなる食事パターンは、⑤1日に3食以上(間食も含めて)食べている、⑥夕食が1日の最大の食事となっていることでした。①は食事回数が少ないので、栄養不足にならないよう食事内容に気をつける必要がありますが、現代社会では⑤や⑥の食事パターンの人がほとんどだと思います。肥満が気になる方はせめて、②と③を実行し、夕食は少なめにすることだけでも、効果があると思われます。

    出典:Journal of Nutrition、2017, doi: 10.3945/jn.116.244749

  • 腸と脳は強い絆

     ヨーグルトなどの発酵食品は身体に有用な菌を含んでおり、胃腸障害の緩和などに効果がありますが、精神的な症状を緩和する効果もあるのではというカナダの研究報告です。ビフィズス菌(longum NCC3001)を含む食品とこれを含んでいない食品を過敏性腸症候群の患者44名を2群に分けてそれぞれ10週間摂取してもらい、うつ病スコアを調査しました。過敏性腸症候群とは大腸の病気で、腹痛、下痢や便秘などの症状を繰り返し、不安やうつ症状がよくみられます。摂取6週間後のうつ病スコアをみると、ビフィズス菌を含む食品を摂取した群では64%、含んでいない食品を摂取した群では32%スコアが低下して、うつ症状の改善はビフィズス菌を摂取した群の方が高い結果でした。MRIで脳を検査すると、スコアの改善と気分に関与する複数の脳の部位の変化が関連していることも判明しました。つまり、腸内環境を良好に保つことで、精神的な症状も良好な状態を保つことができることが示唆されました。腸と脳は昔から強い絆で結ばれているといわれています。

    出典:Gastroenterology.,Volume 153, Issue 2, 448–459,2017