カリウムが特に多い食品
サツマイモ、アボカド、ホウレンソウ、豆、バナナなど
高血圧の患者さんは現在1000万人以上と推定されていますが、その予防法として減塩がさかんにいわれています。減塩は味に影響するため、なかなか思うようにいかない場合が多いのですが、減塩が唯一の高血圧予防法ではありません。野菜や果物に含まれるカリウムの摂取が高いと塩分の摂取量には関係なく血圧を下げる効果があることが報告されています。カリウムが特に多い食品は、サツマイモ、アボカド、ホウレンソウ、豆、バナナなどです。人類の祖先は、果物、根菜、野菜、豆、穀類などカリウムが多くナトリウムが少ない食生活でした。そのため塩分を好むように進化し、カリウムは欲しなかったという説があります。現代の食生活は塩分が多くカリウムが少ない食事となっています。塩分ばかりに目を奪われず、カリウムの多い食品を取ることで十分高血圧は予防できることが期待されています。
サツマイモ、アボカド、ホウレンソウ、豆、バナナなど
栄養・運動・休養は健康の源です。
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ローマに近いイタリア中央部のモリーゼ州の住民7000名を対象にコーヒーと前立腺がんの関連を検討した研究です。1日3杯以上コーヒーを飲む人は1日2杯未満の人に比べ、前立腺がんの発生率が53%も低い結果でした。そこで、カフェイン入りと脱カフェインのコーヒーを比較したところ、動物実験ではカフェイン入りコーヒーにはがん細胞の増殖を抑制する作用がありました。研究した地域ではカプチーノの他、エスプレッソ、モカ、カフェラテなども飲用されているようです。
出典:International Journal of Cancer, April 2017,DOI: 10.1002/ijc.30720
レンズ豆、ヒヨコ豆、マメ、エンドウ豆などの豆類が糖尿病予防効果があるかを検討したスペインの研究です。糖尿病がない3349名の人を4年間追跡をして、豆類の摂取と糖尿病発生率を比較しました。1日当たり豆類を約29g摂取していた人は約13g摂取していた人に比べ、糖尿病発生率が35%低い結果でした。豆類の種類で検討すると、レンズ豆が糖尿病発症を抑える効果が高いことがわかりました。豆類にはビタミンB群や食物繊維が豊富に含まれており、今後豆類はますます生活習慣病予防に重要な食品として期待されると考えられます。
Clinical Nutrition (2017), http://dx.doi.org/10.1016/j.clnu.2017.03.015
サウナ大国であるフィンランドでの20年間にわたる研究です。フィンランドの男性2,315名(年齢は42歳から60歳)のサウナの利用頻度を調べ、3つのグループに分けました(①週1回、②週2-3回、③週4-7回)。週に4-7回利用している人は週1回の人に比べ、認知症発症リスクが66%も低い結果でした。これまでの研究でサウナは心臓病予防にも効果があることが報告されています。ゆっくりくつろぐことは心臓にも脳にもいいのかもしれません。
出典:Age and Ageing 2017; 46: 245–249