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2016年10月 秋の薬膳 日本型薬膳

秋季の自然条件は、「燥」であり、大気が乾燥しているので、肺や気管支がダメージを受けたり、口、鼻、咽喉、皮膚がかさついたり、毛髪がぱさついたりする。

また、初秋には、夏の温熱と結合した「温燥」、晩秋には、冬の寒涼と結合した「涼燥」が多くなる。この時期には、大自然の「気」を大きく吸収して、体のバランスを調整することが大切である。秋は何を食べても美味しい季節である。特に、肺経に入る梨、橘(ミカンの一種)、葡萄、林檎などの旬の果物、また野菜では山芋、百合根、蓮根、そして蜂蜜が効果的である。

献立

カラダにやさしい食品

日常私たちが食べている食品には、健康を維持・増進する大きな力が宿っています。
このコーナーでは、食品の持つすばらしい力を紹介します。

  • ウコン

    《薬膳効能》行気破(気の流れをよくして、血行をめぐらす)作用があります。
    《保健機能》胆汁分泌作用、利尿作用、健胃作用があります。

  • ヨクイニン

    《薬膳効能》利湿(湿を取る)作用があります。ヨクイニンとはハトムギの種皮を除いたもので、ハトムギにもむくみなどを軽減する作用があります。ヨクイニンはこの他、健胃作用やイボを取ることで有名です。

  • 陳皮

    《薬膳効能》理気健脾(気をめぐらし、消化機能を高める)作用があります。おなかがはったり食欲がないときに、お湯を入れてお茶かわりに飲用します。また、痰が多い咳などのときに痰がでやすくする作用もあります。

健康一口メモ

栄養・運動・休養は健康の源です。
このコーナーでは、世界の最先端の栄養・運動・休養に関する情報をお届けします。
是非、健康生活の参考になさってください。

  • 健脳食事

    子どもの読解力は食事に影響するというフィンランドの研究です。小学1年生160名を対象に食事日記をつけてもらい、3年生になるまで観察しました。すると野菜類や、果物類とくにベリー類、魚、全粒穀物と不飽和脂肪(青魚)をたくさん食べている生徒の方が、2、3年生での読解力テストの成績がよかったということです。また糖分の多い加工食品を控えめにしている子どもの方が高い成績でした。つまり、小学低学年のときから健康的な食生活をしていることが読解力によい影響を及ぼす可能性が明らかになりました。

    出典:European Journal of Nutrition、First Online:09 September 2016

  • 肥満が脳に影響する?

    脳の「白質」とよばれる部位は脳の領域を接続する組織で情報伝達に重要な部分です。今回、肥満は白質に影響するかどうかを検討した英国の研究です。対象は20-87歳の成人473人で、スリム群と過体重群に分けて脳構造を比較しました。その結果、過体重群はスリム群に比べて広範囲に白質の減少がみられ、50歳の過体重群の人の白質量は60歳のスリム群の人と同じでした。これらの違いは中年期以降にしかみられず、この年齢層は特に影響を受けやすい可能性が示唆されました。現時点では白質の違いは脳の認識能力に影響していないという結果もでましたが、糖尿病やがんの人も白質が縮小しやすいことが判明しているので、やはり生活習慣病の予防が大切です。

    出典:Neurobiology of Aging、47 (2016) 63-70

  • 糖尿病前症にはウォーキング

    血糖が高くもう少しで糖尿病という方(糖尿病前症)に良報です。軽い運動で改善できます。糖尿病前症の米国人150人を対象に次の4つのグループに分けました。1.食事療法+運動群(速歩を週に約12kmするのと同程度の運動)、2.中強度運動を少なめに行う群(速歩を週に約12kmするのと同程度の運動)3.中強度運動を多めに行う群(速歩を週に約18kmするのと同程度の運動)4.高強度運動を行う群(ジョギングを週に約18kmするのと同程度の運動)。その結果、最も良かったのは第1群では9%の改善、2番目は、第3群で平均7%の改善、3番目は第2群で5%の改善、最後は第4群で2%の改善でした。食事も運動も両方できる第1群が理想ですが、ウォーキングだけでもそれに匹敵する効果があることがわかりました。

    出典:Diabetologia,2016, 59(10), 2088–2098