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2015年12月 冬の薬膳 洋風料理

冬季の自然条件は、「寒」であり、人体の表面の比較的浅いところで、寒邪を受けやすい。
例えば手足が冷えたり、人体の気や血のめぐりが滞って痛みが現れたりする。また、冷えると人体の表面が収縮し熱が外へ出にくく、寒や発熱の症状が起こりやすくなる。

予防には、熱性や温性の食材が効果的であり、腎経に入る食材、また体を温める効果のある、クルミ、枸杞、白果(ギンナン)、ナマコ、大豆、黒胡麻、栗、山芋、鳥骨鶏、桂皮などが適している。これらを冬野菜の代表選手である大根、人参、牛蒡などと組合せて調理することが重要である。

献立

カラダにやさしい食品

日常私たちが食べている食品には、健康を維持・増進する大きな力が宿っています。
このコーナーでは、食品の持つすばらしい力を紹介します。

  • レモン

    生体の自律神経は午前中に副交感神経優優位から交感神経優位へとスイッチし日中の活動に備えます。
    レモンの香りは交感神経を刺激し、交感神経優位へとスイッチする働きがあります。朝食にレモンを摂取し自律神経バランスを整えることが期待されます。

  • りんご

    フラボノイド、カテキン、アントシアニンなどさまざまな抗酸化成分やペクチンという食物繊維を含み、肺がん、心臓病、気管支喘息の発症に予防効果があると報告されています。

  • シナモン

    体を温める作用とともに、寒さによる痛みを軽減する作用があります。
    また最近の研究ではシナモンは糖尿病患者において総コレステロール値やLDLコレステロール値の低下、HDLコレステロール値の増加をもたらすことが報告されています。
    ただしシナモンアレルギーの方は控えた方がいいです。

  • ブロッコリー

    抗酸化作用のあるカロテノイド、フラボノイドを含んでいます。また解毒作用のあるイソチオシアネートも含んでおり、体内で発がん物質を解毒する酵素の活性を高める作用があります。

健康一口メモ

栄養・運動・休養は健康の源です。
このコーナーでは、世界の最先端の栄養・運動・休養に関する情報をお届けします。
是非、健康生活の参考になさってください。

  • 肉と発がん

    10月下旬に国際がん研究組織が、加工肉は人に対して発がん性があり、「レッドミート」は人に対しておそらく発がん性があると発表し、世界中の食肉業界を震撼させました。特に加工肉及び「レッドミート」の摂取により大腸がんのリスクが増加すると指摘しました。「レッドミート」とは牛肉、豚肉、羊肉(ラム、マトン)、馬肉などで鶏肉は含みません。
    明日から肉は食べない方がいいのか気になるところですが、報告書によると加工肉を毎日継続して1日当たり50グラム摂取する場合、「レッドミート」は毎日継続して1日当たり100グラム摂取する場合に、大腸癌のリスクが増加するとのことです。日本人は平均的に1日当たり加工肉は13g、「レッドミート」は50g程度しか食べていませんので、あまり心配することはないと判断されています。肉はたんぱく質やビタミンB、鉄、亜鉛など健康維持にとって有用な成分も含んでいますので、適量を食べることが大事でしょう。

    出典:IARC Monographs, 26 October 2015

  • 風邪予防の秘策

    自身の健康について、「非常に良い」、「とても良い」、「良い」、「どちらともいえない」、「悪い」と健康度自己評価をすることで風邪発症の予測ができるという研究です。もともと健康度自己評価は、その評価が低い人は、評価が高い人に比べ死亡リスクが増加することが判明しており、「病は気から」を科学的に実証した研究として有名です。この健康度自己評価と風邪発症の関連をみると、自己評価が低い人は、自己評価が高い人に比べて風邪の発症率が2倍高いことがわかりました。自己評価が高い人は風邪を予防する免疫力も高いのではないかと推測されています。風邪予防も気力が大切なのかもしれません。

    出典:Psychosomatic Medicine, 9, 959-968,2015