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2015年7月 夏の薬膳 和食

<夏の薬膳>
夏季の特有の自然条件は「暑」であり、この季節は陽気が盛んになる。抵抗力が落ちた時に「暑邪」に侵されることがある。また、夏は「暑」に加えて「湿」の邪にも注意しなければならない。予防と治療には清熱が必要で、寒性、涼性の食材が効果的である。夏に旬を迎える西瓜、甜瓜、胡瓜、トマト、南瓜などは水分が多く、ビタミンやミネラルの補給源にもなる。また夏は、食欲不振や体力の消耗が激しく、胃腸機能も低下しやすいため、脾や胃経に入る、鰻、蜂蜜、棗、豆腐など、口当たりがよく、栄養豊富な食材を使うことが重要である。

<長夏の薬膳>
長夏は、湿度の高い時期であり、主気は「湿」であり、住居の水はけが悪く、湿度が高くなったり、水中での仕事が長い人や乾燥していない衣類を身につけていた場合などは、体が湿を感受して、「湿邪」によって疾病になることがある。
「湿邪」の特徴は、重濁で下向き、体が重苦しい、浮腫がおきる、下痢をするなどの症状がある。
効果的な食材は、清熱利潤作用のある寒性のもので、例えば西瓜、緑豆、意苡仁、冬瓜などが体内にたまっている水分を、尿として除去してくれる。

献立

カラダにやさしい食品

日常私たちが食べている食品には、健康を維持・増進する大きな力が宿っています。
このコーナーでは、食品の持つすばらしい力を紹介します。

  • 西瓜

    《薬膳効能》清暑熱(熱を冷ます)、利尿
    《保健効果》トマトに含まれている抗酸化成分のリコピンが西瓜にも含まれており、抗酸化活性は西瓜の方が高い。リコピンは悪玉コレステロールを低下する作用があります。西瓜にはシトルリンという抗酸化成分も含まれています。

  • 山椒

    《薬膳効能》温中散寒、止嘔。温める作用があり冷えによる腹痛などに用い芳香性健胃薬として漢方処方されています。主として日本では山椒、中国では花椒が使われています。
    《保健効果》辛味成分のサンショオールは舌の触覚神経を刺激し味覚を敏感にする働きがあり、少量の塩でもしっかりとした塩味を感じることができ減塩に役立ちます。

  • 《薬膳効能》発汗、解熱、鎮痙。風邪の発熱を鎮め首や肩のこわばりを和らげる作用があります。
    《保健効果》イソフラボンの1つであるダイゼインを含んでおり、ダイゼインは骨粗鬆症予防に期待されています。

健康一口メモ

栄養・運動・休養は健康の源です。
このコーナーでは、世界の最先端の栄養・運動・休養に関する情報をお届けします。
是非、健康生活の参考になさってください。

  • 1日の食事はやはり3食

    今月は血糖の話しをします。炭水化物であるご飯を食べると血糖が上がります。食後の血糖が高すぎると糖尿病に気をつけてください。食事の回数と食後の血糖状態を検討した研究があります。3つの食事、①朝食(400kcal)と昼食(800kcal)と夕食(1000kcal)、②昼食(800kcal)と夕食(1000kcal)、③夕食だけ(1000kcal)があり、夕食のカロリーは1000kcalと同じです。これらの食事を摂取して夕食後の血糖を比較しました。食後血糖が一番高かったのは③、次が②、一番低かったのは①でした。欠食すると食後の血糖が高くなりやすく、規則正しく3食食べるのが食生活の基本です。

    出典:Diabetes57:2661-2665,2008

  • 朝食は昼食にも影響

    朝食にご飯150gを食べたグループ①とご飯に大麦を混ぜた麦飯150gを食べたグループ②の食後の血糖を比較した日本の研究です。グループ①に比べ、麦飯を食べたグループ②の食後血糖は低い値で、健康的な結果を示しました。その後昼食には両グループとも同じ量のご飯を食べて昼食後の血糖を測定しました。すると、グループ①に比べグループ②は昼食後の血糖も低い値を示したのです。朝食での食物繊維の多い麦飯は朝食後の血糖だけでなく、昼食後の血糖にも大変いい結果を及ぼすことがわかりました。食事は次の食事にも影響するのです。

    出典:Jpn Pharmaco Ther 2013;41:789-95

  • 食べる順番が大切

    これも日本の研究です。ご飯200gを食べたグループ①とご飯200gと鮭85gを食べたグループ②の食後血糖を比較しました。グループ②はグループ①よりもカロリーが高いのですが、食後血糖は低い値を示しました。その後の研究でタンパク質を摂取すると血糖を下げるホルモンであるインスリンの分泌を促すことがわかりました。そのため、食事ではまず食物繊維の多い野菜、海藻、キノコなどやタンパク質の肉、魚などを食べてインスリン分泌の準備をして、次にご飯を食べると食後の高血糖を防いでくれるわけです。会席料理のように、血糖が気になる方は食べる順番を工夫されるといいでしょう。

    出典:Jyoshi Eiyoudaigaku Kiyou 39:33-37,2008